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かごしまふぁんネットメール
シリーズ「伝統的工芸品の全国大会がやってくる!」

◆第4回 「白もん!? 黒もん!?」

「白もん」「黒もん」って何のことか御存じですか? 
ドラえもんの仲間 (!?)だなんて思った人はいませんよね。
 
それでは,「白薩摩」「黒薩摩」と言えばピンとくるのでは?

これらは,国の伝統的工芸品にも指定されている薩摩焼の種類を指す言葉で,「白もん」は白薩摩のことを,「黒もん」は黒薩摩のことを言います。

一言で薩摩焼と言っても,「白もん」と「黒もん」とでは,外観も製作方法も随分異なります。

白もんは,白土を使用した象牙色で,透明性の「貫入(かんにゅう)」と呼ばれる細かいひびがはいる釉薬がかけられているのが特徴です。

さらに,その上から赤,青,緑,金彩で動植物などの文様を施した「金欄手(きんらんで)」や,小刀で様々な模様を彫り抜く「透し彫り手」など,高度で繊細な手法を用いた豪華で格調高い作品です。透し彫りを施した作品は,陶器とは思えないほど繊細で優美です。

また,陶土を作る際,繊細さを増すために「水簸(すいひ)」と言われる作業を何度も繰り返すなど「黒もん」より手間がかかっています。それゆえ,江戸時代には,藩主しか使用できない高価な品物だったようです。

一方,黒もんは,鹿児島特有の鉄分の多い陶土を使用しているので,その表面は茶褐色をしています。表面に絵付け等は施さず,黒釉,褐釉等の色釉をかけて仕上げているので,実に素朴で力強く,深い味わいがあります。

藩主だけが使用していた白もんに対し,こちらは,庶民の生活道具として古くから愛用されていました。「黒ぢょか」と呼ばれる酒器は黒もんの代表的なもので,焼酎をよりおいしく飲むためのものですので,焼酎好きの方は,是非お試しください。
(鹿児島県陶業協同組合 http://www5.synapse.ne.jp/satsumayaki/

薩摩焼は,140年前に開催された第2回パリ万博に出品され,その高い芸術性が当時の世界の人々に賞賛されました。以後,薩摩焼は「SATSUMA」の名で海外でも高い評価を得ています。

そして,パリ万博から140年目に当たる今年,日本やヨーロッパ各地に収蔵されている薩摩焼の傑作を集めて展示する「薩摩焼パリ伝統美展」が,パリ郊外にあるフランス国立陶磁器美術館(セーブル美術館)で19年11月20日から20年2月18日まで開催されます。
(薩摩焼パリ伝統美展 http://www13.synapse.ne.jp/satsumaparis/) 

この 展覧会のオープニングにあわせて,鹿児島発着パリ直行チャーター便で行く7日間の展覧会鑑賞ツアー(11/9(月)〜25(日))も企画されていて,6月から一般募集が始まる予定です。こんな機会はめったにないので,見に行きたいですね。

でも,パリまでは行けないという方もご安心ください。今年の11月8日から11日までの4日間,全国の伝統的工芸品を一堂に会しての全国伝統的工芸品フェスタが,鹿児島アリーナで開催され,もちろん薩摩焼も展示・販売されます。入場は無料ですのでお気軽にお越しください。

薩摩焼と相性のいい焼酎や薩摩黒豚など鹿児島のおいしい特産品もたくさん販売されますので,この機会に鹿児島を丸ごと堪能してください。

 
岩手県 岩谷堂箪笥
【伝統的工芸品/岩手県 岩谷堂箪笥】
 

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